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トー角の合わせ方

前回の記事投稿から随分と時間が経ってしまいました。 どうもアヒルの作り物屋です。
最近はマフラーの熔接やら、アゲ↑アゲ↑エブリーの製作やらで忙しくしてました。 内緒ですが、今はL700系のスプリング市販化に向けた作業などをしております。
相変わらず、「独立アクスルはセッティングが難しい」などと言う風評被害に合っていますが、使いこなしているユーザー様からは、「コツさえ掴めば楽勝ですヨ」と言われてドッチが意見として正確なのかナ? と思ってます。
普通に調整するならリジットより自由度が高い分、楽に思ったとおりに出来るんですけどね。 自分でも取り付けしたり使ったりしてて難しいと思ったことないですし…
そもそもリジットアクスルでは到底不可能な領域を極めようとすれば難しくなるのはアタリマエです。
フェンダーとのクリアランスを名刺が入るか入らないかレベルで調整している変態さんの意見を真に受けて、購入をためらっているまともな(?)ユーザー様に向けて…と言うか、前回予告してたはずのトー角の合わせ方について長々と書いてみたいと思います。(笑
前回同様、文字だらけの長編作品なので、お暇な方のみお付き合い下さい。
ココを見ている皆さんならご存知のように、当社の独立アクスルはリヤのトー角が調整できます。
このトー角とやら、調整が上手くいけば驚くほどタイヤのライフが伸びます。 が、普通の人は「アライメントテスターが無いと調整なんて出来ない」と思っているようです。
でも、コツさえ掴めば結構簡単に調整できます。 やり方は簡単。 目で見る! いわゆる目視です。
何をバカなこと言ってるんだ? と思う人もいるでしょうが、実は目視はかなり正確なんですよ。 オリンピックではライフル射撃って言う競技がありますが、何十メートルも先の十円玉程度の目標も目視で狙って打ち抜いてます。
目視が正確じゃなければそんなことは不可能ですよね ゴルゴ13だって目視で正確に狙撃してますしね(笑
実は目視で位置を合わせるというのは、光が真っ直ぐに進むという特性を生かしたワザなのですが、レーザーアライメントテスターもそんな光の特性を利用しているんです。
ただし、機械では映像を細かく理解できないので、機械の目(センサー)に対してレーザー光を照射することで、擬似的に人間が目視で的を狙う状態を作り出してます。
目視でも正確に合わせることが出来るということが理解いただけたでしょうか?
それでは、実際にやってみましょう。
まずは、ホイールを前後とも同じサイズ、オフセットにし、キャンバー角も前後で同じにします。
次にハンドルを真っ直ぐの状態にします。
その状態で車体の下を前から覗き込みます。
片目をつぶって、前タイヤの内側 前のツラと後ろのツラがピッタリ重なるようにして後をみます。
ファイル 376-1.jpg
この時後のタイヤのトレッドが見えるようであればフロントトーはインを向いていることになります。
逆に見えない時はトーはアウトになります。
ココではギリギリ後タイヤのトレッドが見える程度に合わせましょう。
ファイル 376-2.jpg

次にクルマの後から車体の下を覗き込みます。
片目をつぶって、後タイヤの内側 後のツラと前のツラがピッタリ重なるようにして前をみます。
この時前のタイヤのトレッドが見えるようであればリアトーはアウトを向いていることになります。
ファイル 376-3.jpg
逆に見えない時はトーはインになります。
ココは画像のように、前のタイヤがギリギリ見えないようにトーを合わせます。
ファイル 376-4.jpg


次に前に戻って下を前からもう一度覗き込みます。
片目をつぶって、前タイヤの内側 前のツラと後ろのツラがピッタリ重なるようにして後をみます。
後タイヤのトレッドがギリギリ、ほんのわずかに見えている状態なら調整終了です。
見えてない場合はもう一度調整し、リアトーの調整をします。

これで、リアトーは0かほんのわずかにアウト、フロントトーはほぼ0で出来上がりです。
ちなみに、リアトーは0が理想で、ネガティブキャンバーをつける場合インじゃなくて、ほんの少しアウトが良いです。
フロントトーは乗ってみて問題がないならそのまま、直進の安定性が欲しいならタイロッドで左右1/4回転トーイン方向が良いでしょう。
もっと詳しく書くと恐ろしく長い文章になりますのでこのへんでおしまいです。
「ナンだかよくワカラナイ」って人はやさしい営業担当者にお電話下さい。
きっとやさしくお教えできると思います。(笑

独立アクスルのお話

最近、独立アクスルのセッティングについての間違った情報が流れているようで、上手くセッティングできずに独立アクスルのオイシイ部分を使えていないお客様がいらっしゃるようです。
それでは技術屋として、ちょっと悲しいので小難しい長文を書いてみました。
お正月の暇つぶしに読んでもらえると良いかな? と思ってます。

まずはサラッと簡単にコツを書いておきます。

キャンバー角は左右で厳密に合わせる必要はありません!
左右で1°くらいのズレは普通のラジアルタイヤでは問題になりません。
それに、角度にこだわるより、フェンダーとのクリアランスにこだわったほうがクルマがカッコよく見えます。
路面の傾きやクルマの傾きでも左右に差が出ますので、テスター上でいくら正確に合わせても実際に地面に降ろすとずれます。
なのであまり神経質になる必要はありません。
あるていど適当でも大丈夫です。

トー角はしっかりと合わせましょう!
このページの後半で書いてますが、トー角は非常に重要です。
これを失敗するとタイヤが消しゴムのように削れ、ガソリンもエンジンにガブ飲みされます。
アライメントテスターに乗せなくても、簡単に合わせる方法があります。(もちろんアライメントテスターにはかないませんがかなり正確です)
当社のデモカーはこの方法で合わせていますが、リアタイヤの減りは純正アクスルとほとんど変りません。
同じように合わせているお客様のクルマも同様です。
その方法は近日ホームページで公開します。 待てない方はお電話下さい。

車高はアクスル側で調整しましょう!
大まかな車高調整はスプリングの長さを変えるのではなく、アクスルの車高設定穴で調整してください。
車高を低くしたい時は-40や-60㎜(L175系は-50㎜、スズキは-45㎜、-65㎜)の穴を使用しましょう。
逆に車高を高くしたい時は-40や-20㎜(L175系は-25㎜、スズキは-45㎜、-25㎜)の穴を使用しましょう。
スプリングの長さで30㎜以上調整するとトー角がずれてしまいます。
もちろんトー角調整できますので多少のずれは直せますが、面倒なので穴位置を変えたほうが楽です。

サブフレームの取り付けは神経質にやらない!
サブフレームを取り付けるときにクルマのボディーに穴を開けますが、位置決めプレートを取り付けた時点で大体の位置は決まります。
少しぐらい位置がずれても、トー角の調整や、ピロボール位置の調整が出来ますので問題ありません。
なので、神経質に寸法を測る必要も無ければ、穴あけに緊張する必要もありません。
決まったところに真っ直ぐブスッっとドリルを通してください。
もしナナメになってボルトが入らないときはもう一度ドリルを通しましょう。
この時、誰かに横から見てもらい、ドリルが真っ直ぐになっているか確認してもらうと良いでしょう。

ココからは難しいことを少しだけ簡単に、小難しく書いてます。
読むのが面倒な人は、電話で聞いて下さい。


当社は調整式アクスルを含め物を作る図面を3D CADで書いています。
そのCAD図面上でアクスルの動きをシミュレーションすると、アーム部分の前後方向の長さ(アクスルの前側取り付けボルトからホイール中央まで)が約350㎜のアクスルでは車高を1cm変えた場合アームの傾きが約1.65°変化します。
キャンバー角度を最大の-10°に設定した状態で1°アクスルアーム角度が変わると約0.1°トー角度が変わるので、アクスルが傾いて1cm車高が変化すると0.183°トー角度が変化することになります。
これは、アーム部分の長さが短い(350㎜)L700系のアクスルで計算したものですから、もう少しアーム部分の長いL250系ではもう少し変化が少ないと言うことになります。
約0.2°のトーインは設定としては健全な数値(レースカーや高性能スポーツカーなどはもっとトーインに設定するケースもあります)ですので、この程度の変化量ならば特に問題になるものではありません。
当社の調整式アクスルは-2cm・-4cm・-6cmと3段階に車高を設定(L175系は-25㎜・-50㎜)できますが、これに調整式のスプリングシートなどを組み合わせると-2cm~-6cmまで無段階に車高を設定できることになります。
また、この範囲であればトー角も走行に問題が無い範囲でしか変化しません。
この説明の内容を考慮すれば、-1cm~-7cmまでなら自由に車高の設定を変えてもトー角度は最大で0.2°しか変化しないと言うことになります。

では、それ以上に車高を変化させるとどうなるでしょうか。

答えはトー角が大きくずれてしまう為タイヤの磨耗が酷くなったり、後輪が抵抗になり燃費の悪化や走行時の安定性が欠けたりします。

サスペンションの設定において、トー角は非常に重要です。
メーカー純正のサスペンションでも、キャンバー角やキャスター角は調整できなくてもトー角は調整できるようになっていますね。
このことからもキャンバー角やキャスター角よりもトー角の方が重要なのがわかります。
アクスルを独立化する1番のメリットはトー角を調整出来ることです。
走行時の車高でトー角を0°~わずかにイン方向にセットすることでタイヤの磨耗を極限まで抑えることが出来ます。
後輪の抵抗も最小限にすることが出来ますので、燃費の悪化も防げます。
このトー角を最適な数値内に収める為、アヒル商会ではブラケットが地面に垂直になる状態(キャンバーを調整してもトー角が大きく狂わない)で使用出来るよう、車高の高さに合わせてアクスルを選べる(オーダー時に2cm刻みで5段階の設定があります)ようにしています。
これにより、純正比で-10㎜から、最大-150㎜(キャンバー -10°時)までトー角をメーカー基準値内で使用出来るようになっています。


独立化することによるメリットの2つ目は、アクスルが左右にずれにくくなることです。
ドレスアップの雑誌などを読むと、アクスル交換した後のフェンダーとホイールのクリアランスは最低でも1cm以上必要だと書いてありますが、独立化すると横方向のズレがほぼなくなりますので、フェンダーとホイールのクリアランスは数㎜程度あれば走行可能です。
スズキのエアサス装着車両などでは、全下げ時にホイールがフェンダーの中に入るようラテラルロッドを調整する必要がありますが、その状態から走行できる車高にすると、ホイールの位置が大きく左にずれます。
通常のアクスルでは絶対に避けて通れないことなのですが、独立化するとラテラルロッドが不要になりますので車高の上げ下げをしてもホイールが左右にずれることはありません。
独立化すると、ストロークしてもホイールの位置が左右にずれないようになりますので、より外側一杯にホイールを持っていけるようになります。
ホイールのインセットで言うと10㎜程度は外に出せるようになるので、アクスル側でトレッドを縮めなくても、通常のリジットアクスルより10㎜程度マイナスインセットのホイールを履きこなせます。

最近、雑誌などで独自にアクスルを独立化しているものを見ますが、取り付け位置や構造を見ると(?)と思ってしまいます。
ちゃんと作ればアクスルの独立化はメリットが非常に多いです。 が、変な作り方をしてしまうとまともに走らないクルマになってしまう危険もあります。
当社のアクスルが単純に真ん中を切っただけのように見えるので、簡単に作れそうだなと思われるのでしょうが、実はサスペンション中央部分の取り付け位置を決めるには緻密な計算やテスト走行での車体安定性を見る必要があり、非常に大変です。
ココがまともな位置に無いとクルマがちゃんと走らなくなりますので、もし自作される方はサスペンションジオメトリーの勉強を十分して、しっかりと強度面での計算をした上でトライして下さい。
自作した独立アクスルや当社以外の独立アクスルなどで、性能に納得いかない方は是非、当社のデモカーにご試乗下さい。
必ず独立化の本当の良さを体感していただけると思っています。

アヒル商会 作り物屋からの投稿でした。

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